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業務マニュアルの
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業務マニュアルの"正解"とは?

フォーマットの自由度と注意点

2025.04.16

「業務マニュアル」と聞くと、どうしても堅苦しくて読みづらいものを想像してしまう方も多いのではないでしょうか。

特に紙ベースのマニュアルやPDFの資料では、情報の更新が追いつかなかったり、見る側にとって使い勝手が悪かったりといった課題も多く見られます。そんな中、注目されているのが、CMS(コンテンツ管理システム)を活用した"Webマニュアル"というスタイルです。

しかし、自由にフォーマットを設計できる反面、「どんな構成にすれば伝わるのか?」「何を基準に作ればいいのか?」と悩む声も少なくありません。そもそも業務マニュアルに「これが正解」という型はあるのでしょうか?

今日のブログでは、業務マニュアルをWeb化する際に押さえておきたい考え方や、フォーマット設計時の注意点について、実際の事例を交えながらわかりやすく解説していきます。是非最後までご覧ください。

目次

正解がないからこそ、目的を明確にすることが第一歩

業務マニュアルには「これが正解!」という決まった形は存在しません。それは業種や規模、現場の状況、使う人のレベルによって最適なマニュアルの形が異なるからです。だからこそ大切なのは、「何のために作るのか」を明確にすることなのです。

例えば、ある清掃業の会社では、現場ごとに作業手順が少しずつ異なるため、新人が迷う場面が多くありました。そこで「入社後1ヶ月も経てばたった1人でも現場に入れるようにする」という目的で、複数の写真と動画を使ったWebマニュアルをCMSで作成。結果として、教育コストを削減し、定着率も向上しました

一方で、同じ「清掃業」でも、本部と現場スタッフの間で情報を共有することを主目的とした会社では、日々のチェックリストや報告フローのマニュアル化を重視しました。

このように、マニュアルの構成や内容は目的によって大きく変わります。まずは「誰に、何を伝えるのか」を明確にし、その目的に沿った設計をすることが、"わかりやすい"マニュアル作りの第一歩です。

見やすさ・使いやすさを考える

Webマニュアルのメリットのひとつは、フォーマットの自由度が高いことです。文字だけでなく、写真・図解・動画など、情報を多角的に伝えることができます。しかし、自由に作れるからこそ「見やすさ」と「使いやすさ」を意識しないと、かえって伝わりにくくなる危険性もあります。

例えば、ある飲食チェーンでは、紙マニュアルをそのままWebに載せたところ、逆に現場での混乱が増えてしまいました。改行のない長文や、画像のサイズがバラバラで、スマホでは見づらかったのが原因です。そこでスマホで片手操作でも確認できるレイアウトにし、文章や写真も差し替えるなど、現場の声を集め使いやすいマニュアルへと日々改善しています

また、項目ごとに「何の作業か」「いつ行うのか」を明確にラベリングし、一覧性を高めることで、必要な情報にすばやくたどり着けるよう工夫しました。

Webマニュアルは"作って終わり"ではありません。使う人の立場で「ストレスなく見られるか」を常に意識し、構成・デザイン・導線を調整することが、真に役立つマニュアルづくりにつながります。

誰が見ても同じように動けるか?が成功の基準

業務マニュアルを作る目的のひとつは、「誰が見ても同じように業務ができる」状態をつくることです。属人化を防ぎ、業務の質を安定させるためにも、マニュアルのわかりやすさは非常に重要です。

例えば、ある物流会社では、長年ベテラン社員の経験に頼っていた作業を標準化するためにWebマニュアルを導入しました。初めは専門用語や略語が多く、経験の浅いスタッフには理解が難しいものでした。そこで、初心者でも理解できる言葉に言い換え、イラストや手順の写真を段階的に組み込むことで、経験に関わらず同じ動きが再現できるようになりました。

また、「よくあるミスとその対策」などを補足情報として入れることで、現場での判断力も向上。結果として、作業のバラつきが減り、品質も向上しました。

マニュアルのクオリティは、「伝えたいことを書いたか」ではなく、「相手が正しく行動できたか」で判断されます。誰が読んでも同じ結果を出せる構成こそ、Webマニュアルの価値を最大化する鍵です。

CMSでつくる"育てられるマニュアル"という考え方

業務マニュアルは一度作って終わりではなく、「現場の変化にあわせて育てていく」ものです。その点で、CMS(コンテンツ管理システム)は非常に相性の良いツールです。文章・画像・動画の差し替えや追加・修正が手軽にできるため、常に最新の情報を保つことが可能になります。

例えば、ある製造業の企業では、新製品や手順変更が頻繁にあるため、紙マニュアルでは更新が追いつかず、現場に混乱が生じていました。CMSを導入したことで、管理者が即座に変更内容を反映でき、スマホでスタッフがリアルタイムに確認できるように。結果として、現場のミスが減少し、情報共有のスピードも格段に向上しました。

さらに、CMSならアクセス状況や閲覧回数も把握できるため、「よく読まれていないページ」や「見落とされがちな手順」などを可視化し、改善にも活かせます。

"育てられるマニュアル"とは、現場の声を反映しながら進化し続けるマニュアルのこと。CMSを活用すれば、それが現実的に、そして効率的に実現できます。

まとめ

業務マニュアルに"絶対的な正解"はありません。しかし、目的を明確にし、見やすさ・使いやすさを追求し、誰が見ても同じ行動がとれる設計を心がけることで、その企業にとっての「最適解」はつくれます。

さらにCMSを活用すれば、マニュアルは常にアップデート可能な"育てる資産"になります。変化に強く、現場に根付くマニュアルづくりを、ぜひ一緒に始めてみませんか?