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ベテラン社員が休むと業務が停止?!企業に潜む“属人化”の怖さ
ブログ

ベテラン社員が休むと業務が停止?

業務マニュアルWeb化

2025.07.23

「○○さんがいないとこの業務、回らないんだよね…!」そんな言葉が会社の中で飛び交ってはいないでしょうか?

日々の業務がなんとか回っているうちは見過ごしがちな“属人化”ですが、それはまるで、足元にひびが入った橋の上を走っているようなもの。問題が表面化するのは、ベテラン社員が急に休んだ時や、退職した時です。

私は過去、ある担当者に任せていたプログラミングの仕事が属人化していたことで引継ぎができず、ご迷惑をお掛けしたクライアントに数千万円もの損害賠償金を請求され、会社が傾いたことがありました。その経験から、マニュアルには神経質になり、属人化と言う言葉が大嫌いになりました。

"属人化"は、当事者以外誰もやり方がわからない、対応方法も不明、いないと処理が止まって納期に間に合わない!そんな事態が一気に現実のものとなります。そしてその根本にあるのが、「マニュアルがない!」という事実です。

今日のブログでは、会社に潜む属人化の怖さを具体的な視点から掘り下げながら、なぜ今マニュアルの“Web化”が必要なのか、その理由とメリットをわかりやすくお伝えします。

著者プロフィール】 

株式会社アクセスアップ/富井清和

1998年東京都千代田区でITベンチャーを起業。 金融機関・放送局・大手電機メーカーを含む約1,500社にも及ぶWebシステム開発に携わる。船井総研との共同セミナー講師、東京税理士会や杉並区中小企業診断士会への技術研修。杉並区商工会議所や武蔵野青年会議所等でセミナー講師を務める。

目次

その仕事、"○○さん専用"になってませんか?

ベテラン社員が休むと業務が停止?!企業に潜む“属人化”の怖さ

気づけば「その仕事は○○さんじゃないとできない!」「○○さんに聞かないとわからない!」という業務が、社内にいくつもある。そんな状況、思い当たりませんか?

これはまるで、オーダーメイドのようにその人にしか扱えない仕事になってしまっている状態です。言い換えれば、会社内で業務が“属人化”してしまっていることを意味します。

この属人化、日々の業務が回っているうちは問題に感じにくいのですが、○○さんが突然休んだり、ミスしたり、また突然退職したりすると一気に表面化します。「誰もその作業の手順を知らない!」「次の対応方法が不明!」最悪の場合、業務がストップするだけでなく、顧客や信用を失うことにもなりかねません。

また、特定の人に負荷が集中しやすく、本人やその周りの社員のモチベーション低下や離職にもつながるリスクも。属人化は、現場の効率だけでなく、人材の安定にも悪影響を及ぼします。

だからこそ、業務のノウハウや手順は、誰もが見える・使える・引き継げる状態にすることが必要です。「○○さん専用」から「みんなの共有財産」へ。会社のリスク対策は、ここから始まります

"引き継ぎノート"が本人の脳内にしか存在しない恐怖

業務の手順や判断基準、過去の対応履歴...、それらすべてが、あるベテラン社員の頭の中にしかない状態になっていませんか?この状態はいわば"その人頼み"で仕事が回っているということを意味します。そんな状態こそが属人化の核心であり、会社にとっての重大なリスクなのです。

「いつも○○さんがやってるから!」「聞けば教えてくれるし!」そんな危険な日常が続くと、記録を残す習慣が育ちません。ですが、もし○○さんが急に休んだら?退職したら?朝出勤時にトラブルに巻き込まれたら!...、"マニュアルがない!とは、思考のブラックボックス化。いざという時、誰もその"箱"を開けることができません。

さらに厄介なのは、ベテラン社員ほど「自分のやり方」を感覚で行っている場合があります。私もこのせいで大きな失敗を経験したことがあります。当の本人にとっては"当たり前"のことでも、それを全ての人が再現するのは困難なこと。結果として、業務がストップしたり、間違った処理が行われたりと、さまざまなトラブルの火種になります。

だからこそ、「知っている」から「共有できる」へと変えることが重要です。

頭の中のノウハウは、Web化された業務マニュアルに落とし込むことで初めて“会社の資産”になるのです。

“今日休みなんで無理です”が会社全体のストップボタン

「○○さん、今日お休み?…じゃあ今日のあの作業は無理だね!」そんなやり取りが、あなたの会社でも当たり前になっていませんか?

一人の社員がいないことで、部署どころか会社全体の業務を止めてしまう。これはもう、個人のスケジュールの問題ではなく、会社の構造の問題。もはや“人事”ではありません。“経営リスク”です。

誰もが有休を取る権利がありますし、体調不良や家庭の事情で急に休むこともあります。それなのに、その人がいないだけで「納品できない!」「取引先対応ができない!」「社内処理が止まる!」これでは、会社として持続的な運営はできません。だからこそ、誰がいても業務が進む仕組み=マニュアルの整備と共有が必要です。

Web化されたマニュアルは、全社員がどこからでもアクセスでき、急な欠員時にも業務を止めない「保険」になります

「誰かがいないから回らない会社」から、「誰が休んでも安心できる会社」へ。

その第一歩は、“属人化の見直し”です。

まとめ

「落ち着いたらマニュアルを作ろう!」「時間ができたら整理しよう!」そう思いながら後回しにしているうちに、ある日突然、肝心のベテラン社員が休職や退職を申し出る。そして初めて、「ヤバい、何も残っていない…」と気づく。このような事態が、あちらこちらの会社で本当によく起こっています。

マニュアルは、トラブルが起きてからでは間に合いません。

業務が正常に回っている"今この時”に備えるもの"。つまり、マニュアルは平時の“防災グッズ”。使わないのが理想、でもなければ困るものです。属人化をなくす唯一の武器は、“今”つくる仕組みです。

特にWeb化されたマニュアルは、更新が簡単で、誰でもアクセス・共有でき、情報の鮮度を保ったまま継続運用が可能。紙のファイルやエクセル管理に比べて、圧倒的に効率的です。

しかも、Web化されたマニュアルはスマホからでも確認できるため、現場でも即活用できます。"忙しい"を理由に放置していた属人化が、Webマニュアルによって自然に解消されていきます。

「いつか」ではなく「いま」。マニュアル整備は、"できるうちにやっておく"が鉄則。私達はそんな中小企業の皆さまを、ゼロからサポートしています。

まずはお気軽にご相談ください。

"今"動くことが、未来のリスクをなくす第一歩です。