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業務マニュアルをWeb化する

4つのステップ

2025.03.05

先日、家の整理整頓をしていたときのことです。何年も使っていない古いガラクタや写真、雑誌などが山積みになっていて、それを整理するのが一苦労でした。特に、両親の昔の写真と過去の年賀状は、どうしたら良いか決断に時間がかかり、結局はもういっそのことデジタル化しよう!と決断。スマホで写真を撮ってパソコンに保存するようにしました。

そうすることで、すぐにアクセスできる状態になり、ものすごく気持ちが楽になりました。

このことを仕事に置き換えて考えてみると、業務フローも同じような状況だと思うのです。多くの会社で、業務フローや作業マニュアルは紙やエクセルで管理されていて、必要な情報を探すのに時間がかかり、すぐにアクセスできないという問題があります。また、マニュアルそのものが無いという場合もあります。ところが、整理して前述の両親の写真のようにWeb化してしまえば、誰でも簡単に見ることができるようになります。

そこで今回は「業務マニュアルをWeb化するための簡単な4つのステップ」と題し、その流れをご紹介したいと思います。

目次

現状の業務フローを見直す

現在、業務マニュアルがなく社員の経験で仕事を行っている場合、まずは業務フローの見直しがWeb化を進める上での最初の重要なステップとなります。

業務が口頭や個人個人の経験で運営されていると、作業の効率や品質にバラつきが生じやすく、社員同士で情報共有がうまくいかないことがあります。このような状況では、まず現状の業務の流れをしっかりと可視化し、どの業務が重要でどの手順が抜けているのかを整理することが求められます。

そこでまず、業務を細かく分解して、どの部署や担当者が何をしているのかを把握します。ヒアリングを通じて、各作業の内容や手順、使用するツールなどを洗い出し、それらを一つの業務フローとしてまとめます。この段階で大切なのは、できるだけ現場の担当者の意見を取り入れ、実際の業務に即した形で情報を整理することです。社員間での情報のギャップを埋め、効率的な作業ができる基盤を整えます。

次に、把握した業務フローをWeb化に向けて整理します。どの業務がWebマニュアルに含まれるべきか、どの手順をマニュアル化することで業務の質が向上するかを考え、優先順位をつけます。特に新たに作業手順を作成する場合は、標準化しやすい部分から手をつけることがおススメです。

マニュアルをWeb化することで、情報の一元管理が可能になり、いつでも誰でも業務フローを確認できるようになるため、業務の効率化や情報共有が大きく進展します。

適切なWebツールを選定する

次に重要なことは、どのWebツールを使用するかという選定です。

ツール選びが後々の業務効率や利便性に大きな影響を与えるため、慎重に選ぶ必要があります。

まず最初に考慮すべきは「操作の簡単さ」

業務マニュアルは、全社員が使うものです。運営担当者が簡単に更新・確認できるツールを選ぶことが重要です。例えば、専門的な知識がなくても直感的に操作でき、すぐにマニュアルを次々作ったり修正することができれば、会社での負担が少なくすぐに活用することができます。

つづいて「アクセス性」と「セキュリティ」を考慮します

Web化の最大の利点は、場所を問わずアクセスできることですが、重要な業務情報を扱うため、適切なセキュリティ対策が必要です。例えば、ID/PWによるアクセス権限をかけるとセキュリティ面でも安心です。またSSLが実装されていれば現場からのアクセスも安心です。

さらに、「更新のしやすさ」と「共有機能」も重要な要素です

業務マニュアルは定期的な追加や修正が必要ですが、その作業を簡単に行えるツールが求められます。運営を任された担当者が簡単に更新できれば、常に全社員が最新情報を共有することができます。

カテゴリー分けとコンテンツの整理

次に重要なのは「カテゴリーとコンテンツの整理」です。業務マニュアルをWeb化することで、より業務が効率化されますが、そのためには適切な分類と整理が不可欠です。マニュアルの数が膨大になると、どこに何があるのか分からなくなり、かえって混乱を招くこともあります。

整理されたコンテンツは、社員が必要な情報を迅速に見つける手助けとなり、業務の効率化を促進します。

まず、業務マニュアルの内容を「カテゴリー別」に整理することから始めます。例えば、業務内容が「営業」「総務」「経理」「人事」などに分かれている場合、それぞれの部門や職種ごとにマニュアルを分けると見やすくなります。また、業務の種類や重要度に応じて、カテゴリ内の情報を階層化することで、ユーザーが迷うことなく目的の情報にアクセスできます。カテゴリーの名称は、誰にでも分かりやすいシンプルな言葉を選ぶことが重要です。

次に、各カテゴリー内の「コンテンツ」を整理します。業務のフローや手順を記載したページ、FAQ、注意点や役立つリンクなど、必要な情報を整理して、順序立てて配置します。この段階で大切なのは、マニュアルの内容を定期的に更新できる体制を整えることです。コンテンツが増えたり、業務内容が変わったりする際に、簡単に追加・修正できるような仕組みを作ることが求められます。

カテゴリーとコンテンツの整理をしっかりと行うことで、Webマニュアルはただの情報の集まりではなく、実際に役立つツールとして機能します。

Webツールにアップロードする

マニュアルのWeb化を進める上で、写真の活用は非常に有効となります。特に手順が複雑な作業や、実際の現場での操作方法を説明する際には、視覚的な情報が加わることで理解が格段に深まります。実際の写真を使用することで、社員がその場で迷うことなく、手順を追いやすくなるため、効果的な教育ツールとして機能します。

まず、業務の流れや手順に関連する写真をスマホで撮影します

今では、スマホのカメラ性能も向上しており、質の高い画像を簡単に撮影できるため、特別な機材を用意する必要はありません。撮影する際は、ポイントとなる部分や作業の手順を分かりやすく捉えることを意識しましょう。また、写真だけでは不十分な場合は、手書きでのメモや図を加えると、さらに理解が深まります。

次に、撮影した写真を業務マニュアルに組み込むために、選定したWebツールにアップロードします。多くのWebツールでは、画像のアップロード機能が簡単に使えるようになっており、一旦パソコンにメール添付で送信した後、パソコンからアップロードします。そしてアップロードした写真の横には、作業手順や注意点などを説明する簡単なキャプションやテキストを追加します。

この段階で重要なのは、「誰でも簡単に閲覧・理解できる」ことです。写真を使用することで視覚的に理解しやすくなる一方で、説明文が不十分だと逆に混乱を招く可能性があります。そのため、チャットGPTなどの手を借りると短時間で簡潔で明確な文言を添えることができます。また、作業内容によっては複数枚の写真にするのも良い方法です。細かい操作手順の写真は、さらに視覚的に理解を助けることになります。

まとめ

業務マニュアルのWeb化は、企業の業務効率化に大きな効果をもたらします。5つのステップ、つまり「現状の業務フローの見直し」「適切なWebツールの選定」「カテゴリーとコンテンツの整理」「スマホで撮った写真と簡単な説明文のアップロード」を実施することで、社員が迅速かつ効率的に情報を確認できるようになります。これにより、業務の一貫性が向上し、社内の教育コストも削減可能です。

今すぐ、業務マニュアルのWeb化を始めて、企業全体の生産性を一段とアップさせましょう。